ポンジスキームとは何か聞いてみた

社会

最近、色んな怪しい投資話が舞い込んできます。会社に掛かってくるマンション投資の話、LINEにくる投資案件の話、新しい金融商品に関するセミナーの案内など、それはそれは様々な怪しい話がたくさんあります。

マルチ商法や投資案件詐欺などは良く聞く話ですが、「ポンジスキーム」だけは言葉は知っているけど、どんな事を言うのか良く理解していなかったので調べてみました。

ポンジスキームとは何か?

おっさん
おっさん

ポンジスキームとは何ですか?

ポンジスキームとは、新しい投資家から集めたお金を、以前から参加している投資家への配当や利益の支払いに充てる詐欺的な投資スキームの一種です。このスキームの特徴は、実際の収益や正当な投資活動に基づく利益ではなく、新規の参加者から集めた資金が主な支払い源になっている点です。

ポンジスキームの流れは以下の流れです。

  1. 投資の勧誘:スキームの運営者は「高いリターンを保証する」といった形で投資家を勧誘します。
  2. 初期投資家への支払い:新しい投資家から得た資金を使って、初期の投資家に「配当」や「利益」を支払い、スキームの信頼性を高めます。
  3. 新規投資家の獲得:以前の投資家が実際に利益を受け取ることで、その信頼性が広まり、さらに多くの新しい投資家が参加します。
  4. 崩壊:新しい投資家が集まらなくなると、資金の流入が止まり、配当金や元本返還ができなくなり、スキームが崩壊します。このとき、多くの投資家が損失を被ります。

ポンジスキームは、以下の点で危険です。

  1. 実質的な投資活動がない:実際には資産運用や投資活動が行われていない場合が多く、新しい資金を入れ続けないと破綻します。
  2. 初期参加者のみが利益を得る:最後まで資金を出し続けた参加者は大きな損失を被ることが多いです。

ポンジスキームは、投資の基本原則である「リスクとリターンのバランス」が無視されているため、高いリターンを謳う投資には注意が必要です。

視覚的に簡単に説明すると、以下のような構造です:

   新しい投資家A
     ↓
   新しい投資家B
     ↓
   初期投資家Cに利益を配当

新しい投資家が資金を提供する限り、初期投資家は利益を受け取りますが、全体の仕組みは新しい資金に依存しているため、崩壊は時間の問題となります。

ポンジスキームは何罪にあたるのか?

日本において、ポンジスキームは主に以下の法律に違反し、複数の罪に該当する可能性があります。

🔶詐欺罪(刑法246条)

ポンジスキームは、投資家を欺いて金銭を集め、実際には利益を生む活動がないにもかかわらず「高利回り」を約束する点で詐欺に該当します。詐欺罪は、他人を欺いて財物や財産上の利益を取得する行為を処罰するものです。

🔶出資法違反(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)

出資法では、無許可で不特定多数から資金を集める行為が規制されています。ポンジスキームは、適切な許可や登録なしに出資金を募り、特に高金利や高配当を約束する場合、出資法に違反する可能性が高いです。

🔶金融商品取引法違反

日本の金融商品取引法では、投資商品を販売する際に厳格なルールが定められています。ポンジスキームは、正当な投資商品として登録されておらず、投資家への適切な情報開示も行われていないため、金融商品取引法に違反します。これには、不正な勧誘行為や虚偽表示も含まれます。

🔶特定商取引法違反

ポンジスキームが連鎖販売取引(マルチ商法)として行われた場合、特定商取引法にも抵触する可能性があります。この法律では、連鎖販売取引に関する規制が定められており、不当な勧誘や適切な契約内容の説明が行われなければ違法となります。

🔶組織的犯罪処罰法

もしポンジスキームが組織的に行われていた場合、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」にも該当し、さらに重い処罰が科される可能性があります。

ポンジスキームとマルチ商法の違いは何か?

ポンジスキームとマルチ商法はどちらも新規参加者からの資金を既存参加者に還元する仕組みが特徴ですが、構造や運営方法、法的な扱いが異なります。以下に両者の違いを詳しく説明します。

ビジネス実態の違い

🔴ビジネス実態の違い

ポンジスキーム
 ○収益を生む正当な事業が存在しない
 ○新規の参加者から集めた資金が、既存の投資家への「配当」として支払われる
 ○新規参加者がいなくなると崩壊する

マルチ商法(連鎖販売取引)
 ○実際の商品やサービスが存在する
 ○商品を購入するか、他人に商品を売ることで利益を得る
 ○新規メンバーを獲得することが主要な収入源となっている場合は要注意

🔴参加者の目的の違い

ポンジスキーム
 ○金銭的なリターンを得ること

マルチ商法(連鎖販売取引)
 ○商品やサービスの購入および販売
 ○新規会員の勧誘

🔴収益構造の違い

ポンジスキーム
 ○資金の流用(新規参加者から集金 → 既存の参加者に配当)

マルチ商法(連鎖販売取引)
 ○メンバー勧誘による手数料など

🔴合法性の違い

ポンジスキーム
 ○完全に違法

マルチ商法(連鎖販売取引)
 ○合法の場合もある(過剰な勧誘や不当な利益の分配が行われている場合は違法)

🔴崩壊の速度

ポンジスキーム
 ○新規参加者がいなくなった時点で即座に崩壊
 ○短期間で破綻することが一般的

マルチ商法(連鎖販売取引)
 ○新規参加者が減少すると利益が減少、最終的には崩壊
 ○ポンジスキームと比較すると、そこまで早く崩壊はしない

図解での比較

図解で比較すると以下の様になる。

特徴ポンジスキームマルチ商法
ビジネスの実態収益を生む事業は存在しない商品・サービスの販売があるが勧誘重視
収益源新規参加者からの資金商品販売+新規メンバーの勧誘
参加者の目的高利回りの投資を期待商品の販売と勧誘
合法性完全に違法合法だが、規制に違反すれば違法
崩壊のリスク高い(早期に崩壊)中程度(勧誘が減少すると崩壊)

まとめ

ポンジスキームの問題点をまとめると以下のようになる。

🔶持続不可能:新規参加者がいなくなると崩壊し、必ず破綻する
🔶実態のない投資:実際の事業が存在せず、資金が循環するだけで利益がない
🔶最終的に多くの人が損失を被る:崩壊時には大多数の参加者が大きな損失を被る
🔶詐欺的な勧誘:高リターンを偽って参加者を欺くため、倫理的に問題がある
🔶違法行為:ほとんどの国で詐欺や金融犯罪として違法行為に当たる

著者プロフィール
この記事を書いた人
ロジャー

Webアプリ開発を20年近く経験し、管理職なった今も時々ソースをいじるメインは営業職の管理者。もうすぐ40代。最近は、AIを活用して少しでも仕事やプライベートを面白くしていきたいと考えているおっさんです。困った事もAIなら解決してくれるはず!?

ロジャーをフォローする
社会
ロジャーをフォローする
タイトルとURLをコピーしました