テレビや映画を見ていると良く分からなくなるのが、”警察”と”検察”の違いです。日々、町を守ってくれているのが警察ということは分かるのですが、具体的にどのような違いあるか分からなかったので聞いてみました。
警察と検察の違いは何ですか?
警察と検察の違いについて
警察と検察の違いを、役割や仕事内容に焦点を当てて、簡単に説明します。
警察
- 犯罪が起きたら、最初に現場に駆けつけ、証拠を集めたり、容疑者を捕まえたりします。日常的にはパトロールをして市民の安全を守るのが主な役目です。
検察
- 警察が集めた証拠を基に、裁判にかけるか(起訴するか)を決定します。また、裁判で有罪を立証するために法廷で検察官が証拠を提示し、質問を行います。
警察は「捜査・逮捕」を担当し、検察は「起訴・裁判」を担当するという大まかな役割の違いがあります。
警察と検察が争うことはあるのか?
警察と検察が直接「争う」ことはありませんが、捜査や起訴に関する意見の違いが生じることはあります。それぞれの役割や目的が異なるため、以下のような場面で意見が食い違うことがあります。
1. 事件の捜査に関する意見の違い
- 警察は事件の捜査を行い、証拠を集めますが、検察がその証拠を十分とみなさない場合があります。たとえば、警察が逮捕した容疑者に対して、検察が「証拠が不十分」と判断し、起訴しないことがあります。
- このような場合、警察は「十分な証拠がある」と主張し、検察は「法廷で有罪を立証できるかどうか」を基準に判断するため、意見が分かれることがあります。
2. 起訴・不起訴の判断に関する違い
- 警察は事件を解決し、犯人を裁判にかけたいという意識が強いことがありますが、検察は証拠や法の適用を厳密に考え、裁判で有罪を確実に立証できるかどうかを重視します。そのため、警察が送検した事件を、検察が「起訴に値しない」として不起訴にすることがあり、その結果、警察と検察で意見の相違が生まれることもあります。
3. 捜査方法に関する見解の違い
- 警察が行った捜査方法や証拠収集の手順が、法的に問題があると検察が判断することもあります。この場合、検察はその証拠を裁判で使用できないと判断することがあり、警察の捜査に対する批判が生じることがあります。
送致とは何か?
「送致」とは、警察が捜査を行った事件の書類や証拠を、検察に送る手続きを指します。これは、事件が起訴されるかどうかを判断するために、警察が集めた証拠や捜査結果を検察に引き渡すプロセスです。
送致の流れ
事件発生から、送致、起訴(不起訴)までの流れは以下の様になっています。
- 1事件発生・捜査
警察が事件を捜査し、証拠を集め、容疑者が特定された場合、その捜査結果を整理します。
- 2送致
警察は、捜査で集めた証拠や捜査報告書、容疑者の供述などを検察に送ります。これが「送致」です。これは、容疑者が逮捕された場合だけでなく、任意捜査で逮捕されていない場合も行われます。
- 3検察が判断
検察は警察から送致された証拠や書類を基に、事件を起訴するかどうかを決定します。証拠が十分と判断されれば起訴され、裁判が始まります。証拠が不十分であれば、不起訴処分となることもあります。
送致の種類
送致には以下のような種類があります。
- 通常送致: 通常の捜査結果を検察に送る手続きです。容疑者が逮捕されていなくても、任意捜査の結果を検察に送ることがあります。
- 身柄送致: 容疑者が逮捕された場合、その身柄と共に書類を検察に送る手続きです。容疑者が拘束されている場合は、この形が取られます。
送致の役割
警察が犯罪捜査を担当し、証拠を集めて「捜査終了」という段階に達すると、その結果を検察に引き渡すことで、検察が次のステップ(起訴または不起訴の判断)を進めることができます。送致は、警察の捜査と検察の起訴判断をつなぐ重要なステップです。
つまり、送致とは「警察から検察に事件の詳細を引き渡す」手続きのことを意味します。