お笑いタレント「ジャングルポケット」の斉藤慎二さんが性的暴行の疑いで、警視庁から書類送検されたとのニュースがありました。今後どのような展開になるのかは分からないですが、ニュース自体は非常に残念であり、衝撃的なニュースでした。
ここでいつも気になるのが「書類送検」という言葉です。逮捕や裁判等は何となく分かるのですが、「書類送検」が具体的に何をしてどのような意味を持つのか不明だったので調べてみました。
書類送検とは?
「書類送検」とは、警察が犯罪の捜査を終えた後、その結果を検察庁に報告し、犯人と考えられる人物を刑事事件として起訴するかどうかを判断するために必要な書類を送る手続きです。具体的には、以下のような流れで行われます。
書類送検の流れ
事件発生と捜査の開始
捜査結果のまとめ
検察への書類送検
検察の判断
書類送検のポイント
例:交通違反の書類送検
例えば、ある人が速度違反をした場合、その人がすぐに逮捕されるわけではありませんが、警察は違反内容をまとめた報告書を検察に送ります。これが「書類送検」にあたります。検察はこれをもとに、罰金や起訴の判断を下します。
書類送検は、警察が行う捜査の完了を意味する一方で、最終的な刑罰を決めるのは検察や裁判所です。これにより、警察と検察が協力しながら司法手続きを進める仕組みが機能しています。
刑事事件の一連の流れについて
事件発生から裁判までの流れ(時系列)
以下は、刑事事件の一連の手続きを時系列でまとめたものです。事件の種類や状況によって多少異なることがありますが、基本的な流れは次の通りです。
- ①事件発生
事件や犯罪が発生し、被害者や目撃者が警察に通報する。
(例:窃盗、交通事故、暴行など) - ②捜査開始
警察が現場を調査し、証拠の収集や事情聴取を行う。
※ 逮捕が必要な場合、容疑者を逮捕することもある。 - ③逮捕(任意捜査の場合もあり)
容疑者を逮捕する場合、最大72時間以内に送検し、さらに拘留するかどうかは検察と裁判官が判断する。
- ④書類送検または送検
捜査結果がまとまったら、警察が容疑者や事件に関する書類を検察へ送る。これが「書類送検」。
- ⑤検察の捜査と判断
検察が書類や証拠を確認し、必要なら容疑者や関係者を追加で取り調べる。起訴するか、不起訴にするかを決定。
- ⑥起訴・不起訴の決定
– 起訴:容疑者を裁判にかけると判断した場合。
– 不起訴:証拠不十分などで裁判を行わないと判断した場合。 - ⑦公判準備
検察と弁護側が裁判の準備をする。証拠や証人を整理し、公判に備える。
- ⑧裁判(公判)開始
裁判所での審理が始まる。証人の証言や証拠の提出が行われる。
(簡易な事件の場合、略式起訴により正式な裁判を行わないこともある) - ⑨判決
裁判所が事実認定を行い、判決を下す。
– 有罪の場合:懲役刑、罰金、執行猶予などの刑が科される。
– 無罪の場合:被告人が釈放される。 - ⑩上訴(控訴・上告)
判決に不服がある場合、上級裁判所に控訴や上告を行うことができる。
- ⑪刑の執行
有罪判決が確定した場合、刑務所への収監や罰金の支払いなどが執行される。
具体例:窃盗事件のケース
- 事件発生:コンビニで商品を万引きする。
- 捜査開始:店員が警察に通報し、防犯カメラの映像を確認。
- 逮捕:警察が容疑者をその場で逮捕。
- 書類送検:警察が証拠と取り調べ結果を検察に送る。
- 起訴決定:検察が「万引きが立証できる」と判断し、起訴。
- 裁判開始:裁判所で証人や証拠の審理を行う。
- 判決:被告人に罰金10万円の有罪判決。
- 刑の執行:被告が罰金を支払うことで刑が確定。
このように、事件が発生してから裁判で判決が下されるまで、警察、検察、裁判所が連携して進めていきます。