年末調整は何のために行っているのか?

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2024年も残すところ1カ月程となり、季節も秋から冬へと移行しつつあります。
そんな中で、サラリーマンの方々には「年末調整」の案内が手に届いている頃ではないでしょうか。

という訳で、今回は「年末調整」についてまとめてみたいと思います。

年末調整の目的は何か?

年末調整は、給与所得者が1年間に支払うべき所得税を正確に計算し、過不足のある税額を調整するために行われます。日本では、給与所得者は毎月の給料から所得税が源泉徴収されていますが、この税額はあくまで見込みのもので、年末にならないと正確な金額は分かりません。

年末調整によって、扶養控除、配偶者控除、生命保険料控除などの各種控除が正しく適用され、実際の所得税額が計算されます。これにより、払いすぎた分が還付されたり、不足していた場合は追加で徴収されたりします。年末調整をすることで、確定申告をせずに正確な所得税の精算が完了するのがメリットです(ただし、特定の控除を利用する場合や副業がある場合などは確定申告が必要です)。

簡単に言うと、年末調整は「1年間の正しい税額に合わせるための調整」といえます。

年末調整の時に気を付けるべき点は?

年末調整の際に注意すべき点はいくつかあります。以下に重要なポイントをまとめました。

  1. 控除証明書の準備
    年末調整では、生命保険料控除や地震保険料控除などの証明書が必要です。各保険会社や金融機関から送付される控除証明書を、紛失しないようにしっかり保管しておきましょう。
  2. 扶養家族の確認
    扶養控除や配偶者控除を受ける場合、対象となる家族(子供、配偶者、親など)の条件を確認しておくことが大切です。扶養家族の収入や年齢制限により控除が適用されない場合があるので、家族の収入状況や年齢を正確に把握しておきましょう。
  3. 住宅ローン控除の申告
    住宅ローン控除を受ける場合、初年度は必ず確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で手続きが可能です。適用される期間や残高証明書の提出など、必要な手続きをしっかり行いましょう。
  4. 保険料や寄付金の確認
    生命保険、地震保険、介護保険、社会保険などの保険料控除に関する証明書を準備しましょう。また、ふるさと納税など寄付金控除も年末調整で申告できますが、ワンストップ特例制度を使わない場合、別途確定申告が必要です。
  5. 配偶者特別控除の確認
    配偶者の年収が一定の範囲内である場合に適用される「配偶者特別控除」が受けられることがあります。控除を受けるためには、配偶者の年収が条件内であることを確認する必要があります。
  6. 過不足の確認
    年末調整で控除を申請すると、還付金が発生する場合があります。反対に、年の途中で給料の変動が大きかった場合や控除の申請漏れがあると、追加で税金を支払う必要が生じる場合もあるので、手続き後の通知を確認しましょう。

これらのポイントに注意して年末調整を行うことで、払いすぎた税金を取り戻したり、余分な支払いを防ぐことができます。

年末調整はサラリーマン(給与所得者)だけが行うのか?

年末調整は基本的にサラリーマン(給与所得者)が行う手続きですが、以下の理由で給与所得者が中心となっています。

  1. 給与所得者のための税金調整制度
    サラリーマンは毎月の給与から所得税が「源泉徴収」されますが、この税額はあくまで見込みに基づいたものです。そのため、年間の正しい税額と源泉徴収された税額に差が生じやすく、この差を調整するために年末調整が行われます。
  2. 自営業者やフリーランスには確定申告が義務付けられている
    自営業者やフリーランス、事業所得がある人などは年末調整を行わず、代わりに「確定申告」が義務付けられています。彼らは毎月の源泉徴収がないため、自分で収入や経費、控除を計算して、年間の所得税を確定申告によって納める必要があります。
  3. 複数の所得がある場合は確定申告が必要
    サラリーマンであっても、給与以外に副業収入や不動産所得などがある場合は、年末調整だけでは対応できないため、別途確定申告が必要です。年末調整は主に給与所得に基づく税額調整を目的としているため、他の所得がある人には適用されません。

例外的なケース
一部のケースでは、会社の年末調整の対象にならない給与所得者もいます。たとえば、転職した場合や年の途中で退職した場合などは、年末調整が会社で行われないため、確定申告が必要になることがあります。

まとめ
年末調整は主にサラリーマン(給与所得者)が対象で、給与以外の収入がない場合に限り、確定申告をせずに所得税が調整されます。自営業者や給与以外の所得がある場合は、確定申告で年間の税額を計算・納付する必要があります。

著者プロフィール
この記事を書いた人
ロジャー

Webアプリ開発を20年近く経験し、管理職なった今も時々ソースをいじるメインは営業職の管理者。もうすぐ40代。最近は、AIを活用して少しでも仕事やプライベートを面白くしていきたいと考えているおっさんです。困った事もAIなら解決してくれるはず!?

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