【今年はどうする?】年賀状はいつから始まったのか?

社会

2024年もあと2カ月ほどで終わり、また新しい年が始まります。

皆さんは新年の挨拶をどのように行っていますか?
訪問して挨拶する、メールする、電話する、年賀状を送るなど様々だと思います。

私は昔は年賀状を送っていましたが、最近はメールやLINEで済ませてしまうことが多くなってきました。実際に周りにもそういう方増えてきていますし、これからもこの傾向は強まっていくと思います。

ただ時代に合わせて形が変化しただけで、「新しい年賀状」の文化は今後も続いていくと思います。

年賀状はいつから始まったのか?

年賀状の起源は、古代日本の「年始回り」にまでさかのぼりますが、その詳細や発展についてさらに詳しく説明します。

古代の年始回り

年賀状の起源は、平安時代(8世紀後半~12世紀末)に行われていた「年始回り」という習慣です。この習慣は、貴族や上流階級の人々が新年を祝うために親族や知人を訪問し、直接新年の挨拶を交わすものでした。年始回りは新年の祝いを分かち合い、人間関係を再確認する大切な行事でした。

手紙による挨拶の始まり

しかし、遠方に住んでいるために直接訪問できない相手に対しては、書状を用いて新年の挨拶を送るようになりました。これが、現代の年賀状の原型とされています。特に、平安時代の貴族たちは書物や手紙を用いたコミュニケーションを重視しており、新年の祝賀の手紙を送る習慣が自然に定着していきました。

鎌倉・室町時代

鎌倉時代から室町時代にかけては、武士の社会が形成される中で、年始回りや手紙による挨拶は引き続き重要視されました。武家社会においては、忠誠や関係性を確認するための手紙のやり取りが発展し、新年の挨拶もその一環として定着していきました。

江戸時代

江戸時代になると、商業や通信技術が発展し、一般の町人や農民の間でも新年の挨拶状が広まりました。この時代には「飛脚」と呼ばれる郵便制度が存在しており、人々が手紙を利用して新年の挨拶を送ることが一般的になりました。この風習は、当時の印刷技術の向上によって簡略化され、挨拶状が普及する基盤となりました。

明治時代と郵便制度の確立

明治時代に入ると、日本の郵便制度が近代的に整備され、1871年に郵便制度が公式に開始されました。これにより、新年の挨拶を全国規模でやり取りすることが可能になり、年賀状文化が広まりました。1873年には「年賀郵便特別便」が設けられ、年賀状を元旦に届けるサービスが始まりました。これによって、多くの人々が新年の挨拶状を出すようになり、年賀状は日本全国で定着しました。

現代の年賀状

現代では、年賀状は家族や友人、仕事関係者に新年の挨拶を伝えるための伝統的な手段として広く知られています。デジタル化の進展に伴い、メールやSNSでの新年の挨拶も増えていますが、紙の年賀状には個人的な温かみや特別な意味があると感じられているため、依然として多くの人々に愛用されています。

このように、年賀状は古代の「年始回り」から始まり、平安時代の貴族の文化を経て、時代を通じて一般の人々に浸透し、現代の形に発展してきました。

「年始回り」とは何か?

年始回り(ねんしまわり)」は、古くから日本で行われていた新年の習慣です。これは、正月に親戚や知人、上司、取引先などを訪問し、新年の挨拶を交わして絆を深めるためのものです。年始回りは新年の最初の行事として、敬意や感謝を伝える重要な社交行事でした。

年始回りの特徴と背景

時期と期間

一般的に、正月三が日(1月1日から3日まで)の間に行われることが多いです。特に、元日は家族と過ごすことが優先されるため、年始回りは2日以降に行われることが多かったとされています。

服装と礼儀

年始回りの際には、訪問する側は新年らしい清潔な服装を心掛け、礼儀正しい態度で挨拶をします。特に武家社会では格式を重んじ、正式な礼服を着用して訪問しました。

訪問の内容

訪問先では、主人に「新年おめでとうございます」などの挨拶を述べ、健康や繁栄を祈る言葉を交わしました。短い時間の滞在が基本で、形式的に挨拶を交わした後は次の訪問先に向かうことが一般的です。

贈り物

年始回りの際に、挨拶だけでなくちょっとした贈り物を持参することもありました。これがのちに年賀状やお年玉などの形に変わっていきました。

年始回りから年賀状へ

平安時代や鎌倉時代には、遠方に住む知人への新年の挨拶を手紙で済ませる習慣も生まれ、これが「年賀状」の起源となったと言われています。年始回りを手紙で代用する形として発展していったため、現代の年賀状はこの伝統を引き継いでいると言えます。

このように、年始回りは単なる新年の訪問ではなく、人々が新年を迎えるにあたって社会的な関係を確認し、強化する重要な行為として長い間続けられてきました。

海外でも「年賀状」のようなものはあるのか?

海外でも、新年や節目の時期に挨拶状を送る文化は存在しますが、日本の年賀状ほど体系的で広範なものは珍しいです。いくつか類似した文化を持つ国々や風習を紹介します。

1. クリスマスカード(欧米)

  • 欧米諸国では、新年に向けた挨拶として「クリスマスカード」が最も一般的です。これは12月に入り、クリスマス前に親しい人々に送られます。カードには、クリスマスの祝福や新年の幸福を祈るメッセージが書かれており、日本の年賀状と同様に友人や家族、ビジネスパートナーに送られます。
  • このカードは、単に新年だけでなくクリスマスの挨拶も含むため、送り合うタイミングが異なりますが、感謝や絆を確認するという点で共通しています。

2. 新年の挨拶カード(中国・韓国)

  • 中国や韓国では旧正月(春節)に合わせて、新年の挨拶を行う習慣があります。家族や親戚が集まって食事をし、新年の祝福を交換します。これに加えて、新年の挨拶を伝えるためにカードやメッセージを送ることもあります。
  • また、中国の春節には「紅包(ホンバオ)」と呼ばれる赤い封筒に入ったお年玉を渡す文化もあります。これも新年の挨拶として、お祝いの一環です。

3. グリーティングカード(世界各国)

  • アメリカやヨーロッパをはじめ、多くの国々でグリーティングカードは一般的です。新年の挨拶として特別にデザインされたものもあり、ビジネス用途で年始の挨拶として利用されることもあります。ただし、日本の年賀状のように特定の伝統として定着しているわけではなく、個人の好みによるところが大きいです。

4. ラマダンとイードの挨拶(イスラム圏)

  • イスラム圏では、断食月であるラマダン明けの「イード・アル=フィトル」や「イード・アル=アドハー」と呼ばれる祝祭の際に、親戚や友人に挨拶状や贈り物を送ることがあります。これも新年ではありませんが、特別な行事での挨拶として重要な意味を持ちます。

まとめ

日本の年賀状のように、新年専用の挨拶状を大規模にやり取りする文化は非常にユニークですが、他国にも新年や特別な時期にカードを送り、感謝や祈りを伝える風習は存在しています。それぞれの国や文化で、その地域特有の目的や意味を持った挨拶状が用いられています。

著者プロフィール
この記事を書いた人
ロジャー

Webアプリ開発を20年近く経験し、管理職なった今も時々ソースをいじるメインは営業職の管理者。もうすぐ40代。最近は、AIを活用して少しでも仕事やプライベートを面白くしていきたいと考えているおっさんです。困った事もAIなら解決してくれるはず!?

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